

アメリカ合衆国で当時ポピュラーであったR&B( リズム・アンド・ブルース)に影響を受けたあるゴスペル・アーティストは、当時必ずしも充分な楽器を備え付けられなかったそうです。
そこで、黒人教会の状況も手伝って、アカペラで合唱しようという形態のゴスペルが生まれ、それを広めました。映像でピアノ、またはオルガンなどをバックにシンプルに歌われるのが見られるのはそのためです。
彼らは、貧困や差別、あらゆる束縛の真ん中で、目には見えないけれども、自分達の身分ではなく魂を見守って、愛してくれている神さまを信じることで、ココロのなかの自由を得ました。
やがてそれは、唄となり、名も知れぬ黒人達の神への感謝、悲しみからあふれる祈り、終わらない希望がそこに込められました。後に黒人霊歌(Negro Spirituals)と呼ばれたそうした唄が、ゴスペルのルーツとなります。
後に、ゴスペル出身のミュージシャンなどはゴスペルとR&Bを咀嚼しながら発展させ、ソウル・ミュージックと呼ばれる新しいジャンルを開拓しました。しかしこの後、聖から俗へというゴスペルの流れは少なからず教会の反感を買ったそうです。